尾崎紅葉 「金色夜叉」 新潮社 1969年発行

~「金色夜叉:学生時代の思い出」~

 大学生の頃、普段読まない文学作品を読んでみようと思いました。
 ただ、一人で読んでも続かないだろうと考えた私は当時お付き合いをしていた女性(現在の妻です)と共に本屋へ行き一緒にこの本を選びました。文語体で書かれているのでとても読みづらい本でしたが、ゆっくりと何とか読み進め読了することができました。
 一人ではなく、二人で共通の本を読み共有できるものを作るのも面白いと思います。

(副学長 石田隆城)

守谷 洋 中国古典百言百話「老子・荘子」東洋経済(新報社) 2007年発行

 我々は何を求めているのだろうか。なかなか答えが見えてこない問いである。一生何を求めているのかを求めていくことになるかもしれない。老子と荘子の話は、「理想の人生の生き方を示した」不朽の名著である。「論語」が人間の生き方を広く説破するものであるとすれば、老子と荘子は、より現実的な観点からの人生論であり、処世論といえる。我々が今の時代を生きていくにあたって、組織の中で仕事をしていく中で、自分の未来を想像するにあたって大変参考にすべき話が満載である。ぜひ老子と荘子に接してみてもらいたい。最後に老子の一言を紹介する。

 「知足不辱、知止不殆」、足るを知れば辱められず、(とど)まるを知れば(あや)うからず。

(副学長 崔 俊)

新美南吉 「おじいさんのランプ」 岩波文庫所収 『新美南吉童話集』から 1942年発行

~レビットのマーケテイング論大傑作論文(1960年)の先駆著作~

電気のない里で、おじいさんのランプはよく売れました。しかし、電気が来て、ランプは売れなくなります。このときおじいさんは、自分の売っていたのは、「ランプ」ではなく、「部屋を明るくすること」だったと気づき転業します。「売っているのは何かを考えなさい」という今でも人気の名論文を書いたのはアメリカの大学者レビットです。山里育ちの南吉が同じ考えを書いたのはレビットの、なんと18年も前。南吉の慧眼楽しむべし! 

(学長 赤岡 功)