2014年4月

作業療法士による認知症の人と家族への支援が期待されています

作業療法学専攻の竹田徳則です。

私は老年期障害と介護予防、健康支援に関連する作業療法を専門としています。


平成26年1月15日のブログで、
認知症の人の作業療法では、「できなくなった」ことを「できるようにする」のが主ではなく、
今「できる」ことや「残存している」行える作業活動を用い、
認知症の人自身に「できる」という実感を持ってもらうことの大切さを紹介しました。

今回は、地域で生活している認知症の可能性がある人と家族への支援について紹介します。

認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けたいという、
本人や家族の希望を叶えるために「認知症初期集中支援」が開始されています。


「認知症初期集中支援」では、医師や作業療法士、保健師などの専門職が認知症の可能性が
ある人や家族を早期に訪問し、生活状況を確認したり認知症に関する質問や検査を行い、
適切な医療やサービスを提案したり助言を6ヶ月間集中的に行います。

作業療法士は、生活環境や生活状況において本人と家族が困っていることや、
これまで通りやり続けたい活動などを把握し、改善の手立てを本人と家族に提案することで
自立した生活が継続できるように支援します。

「認知症初期集中支援」は平成27年度から本格的に全国の自治体で展開されます。
地域で作業療法士による認知症の人と家族への支援がますます求められるようになります。


あなたも、地域で活躍する作業療法士を目指しませんか。

当事者の"思い"を知る

こんにちは。作業療法学専攻の大浦智子です。
みなさんは、新たな気持ちで新年度を迎えられたことでしょう。

さて、病気やケガによって、
昨日まで出来ていたことがうまくできなくなったりした時の気持ちというのは、
患者さん(当事者)にしかわからないことがたくさんあります。

作業療法士だけでなく医療従事者は、少しでも患者さんに寄り添い、
気持ちを理解できるように努めています。

先日、ある本(『トラウマティック・ブレイン:
高次脳機能障害と生きる奇跡の医師の物語』橘とも子・著、SCICUS)を読みました。
16歳の時に事故にあい、
「高次脳機能障害&身体障害と共に暮らす」なかで、
医師になり、結婚・出産・育児を経験されてきた方のお話です。

医師の立場からの説明と、当事者の心情が記されており、
私たちの想像をはるかに超えています。
さらに、「障害」と「社会」のあり方について、
いろいろと考える機会を与えていただきました。

あらためて、当事者の"思い"を知る(知ろうとする)ことの大切さを感じました。
医療従事者だけでなく多くの人たちに読んでいただきたい一冊です。

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春ですね! 国家試験結果発表と入学式

こんにちは。作業療法学専攻の藤田です。
3月下旬から急に暖かくなり、星城大学の桜も一斉に咲き出し、
4月上旬にはすっかり春の景色となりました。

星城大学は東海市に位置し名古屋市と隣接していますが、
周辺には緑が多く、隠れた桜の名所が多いのです。
是非、大学周辺も散策してみてください。

星城大学構内

img_1022.jpg聚楽園大仏周辺

img_1013.jpg大池公園・桜まつり

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さて、春は別れと出会いの時期でもあります。
3月31日は卒業生が受験した第49回理学療法士・作業療法士
国家試験の結果発表がありました。
結果は星城大学HPのニュースでも掲載されていますが、
作業療法学専攻の合格率は94.3%で全国平均の86.6%を大きく
上回ることができました。
まさに「サクラ咲く」ですね。


3月下旬は新しい年度に向けて、教員も職員も準備で慌しくしていましたが、
4月3日、無事に入学式を迎えることができました。

本年度の作業療法学専攻は、41名の新入生を迎えました。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます!
星城大学では、豊かな人間性、確かな知識・技術を背景とした
実践力と研究的・教育的資質を兼ね備えた指導的役割を果たす
専門家の育成を目指しています(詳細はリハビリテーション学部のHP
に掲載されていますので読んでみてください)。
1年生はこれらの基礎となる教養、解剖学などの基礎医学を学ぶ学年です。


下の写真は、作業療法学専攻1年生担当の今井(向かって左)
と私、藤田(同右)です。
(入学式会場で撮影したものです)

これから1年生に大学生活全般のこと、勉強のこと、
そして作業療法士のこと、その他もろもろ伝えていきたいと考えています。
全員ができる限り早く、大学生活の軌道に乗ってほしいと思っています。

また、1年生の大学での様子をブログで紹介できればと思っていますので、
楽しみにしていてくださいね。

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介護老人保健施設での認知症の人への作業療法

こんにちは。作業療法学専攻の木村大介です。
私は、作業療法の中でも老年期障害、認知症の作業療法を専門としています。

1月15日のブログで、認知症の人への作業療法について詳しく説明されています。
今回は、それら認知症の人への作業療法の実際をお伝えします。


一言で認知症の人の作業療法と言っても、さまざまな活動があります。
1月15日のブログでも紹介されていますが、
認知症で最も低下速度の遅い"手続き記憶"を活用した作業活動が、
認知症の人には有効です。

例えば、以前紹介した「わらじ作り」や「和裁」「洋裁」「編み物」など、
馴染のある手工芸を用いた作業療法は多くの施設で実践されています。
最近では、それら手工芸を用いた作業療法に加え、
運動に脳への刺激を取り入れた作業療法、
過去の思い出を語り合いながら脳に刺激を行う回想法
を用いた作業療法などがあります。


今回ご紹介する介護老人保健施設では、
認知症の人たちを小グループ(5~6名)に分けて、
約1時間作業療法を行っています。

プログラム内容は、
前述したような"手続き記憶"を用いた作業活動や運動が中心です。
紹介するグループでは、手工芸を中心としたプログラムを行っています。
作業活動を用いた脳への刺激はもとより、
なじみのある人との人間関係作りやコミュニケーションなどを通して、
生活を活発化する事に重きを置いています。

新しいことや新しい人間関係を築くことが苦手な認知症の人でも、
関わり方次第では、脳刺激を与えるだけでなく、
作業活動という場を共有する事で、楽しいと感じられる時間を過ごすことができ、
また参加したくなるようなグループの構成が可能です。
これらを積み重ねていくことで認知症のある人でも、
その人らしく人生を過ごすことができます。


高齢化社会の我が国では、今後ますます認知症の高齢者が増えていきます。
認知症の人を人らしく日々を過ごせるようにする、
そういう作業療法士を育成する事も、星城大学の役割の一つです。


認知症の方が作品に色づけをしているところ。

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認知症の方が理解しやすいように、作業の工程を図示しています。

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高齢の女性の多くは、編み物を日常的に行っていた経験があります。
認知症の方でも昔よくやっていたこのような作業活動(手続き記憶を利用した)は、
困難なく実践可能です。

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