図書館・各種センター

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平成23年度

自分づくり領域(平成23年度)

代表者:天野圭二(経営学部准教授)
分担者:野村淳一(同准教授),室敬之(事務局長)
課題:「シリアスゲームを活用した問題解決型演習の運用方法及び効果測定に関する研究」

研究目的・意義

本研究は、シリアスゲームと呼ばれる各種の経営シミュレーションゲームを用いて、学生が学修内容の定着を図りながら主体的な問題解決能力を身につけるための方法論とその評価方法を確立することを目的とする。
シリアスゲームは、教育や社会における問題解決のためにデジタルゲームを開発・利用する取り組みを意味する概念であるが、大学教学における実践例は国内ではほとんど見られないのが現状である。
通常、学部教育課程においては、学士に相応しい知識を総合的に修得させるため、相互に関連する多様な講義科目を展開している。しかし、学生の科目間の関連に対する意識は必ずしも高いものではなく、結果として各科目で提示される専門知識を総合的に捉える態度の涵養は難しい現状がある。このような現状を打破するためには、それぞれの科目で会得した知識を体系的に理解し、修得できる取り組みが必要であると考える。本研究では、各科目で身につけた専門知識を活用し、知識を統合する手段として市販デジタルゲームを活用した教育方法を提案し、科目としての運営方法・評価方法の確立を目指す。将来的には、シリアスゲーム演習への参加を通じて、学生がより円滑に専門知識を総合化する機会を提供し、問題解決能力や自律的・論理的思考力の醸成を進める場として機能させる。
また,同プロジェクトには東海商工会議所が興味を示しており,社会教育向けのプログラムとしての将来性・可能性があるテーマである.

健康支援領域(平成23年度)

代表者:竹田徳則(リハビリテーション学部教授)
分担者:木村大介(同助教),大浦智子(同講師),今井あい子(同助手)
課題:介護予防のための心理社会面に着目した包括的地域介入に関する研究

研究目的・意義

今後も増加する要介護高齢者の介護予防対策は,日本のみならず世界的な課題となっている.例えば,うつや認知症を伴う要介護状態の発生予防には,作業療法学がこれまで重視してきた介入可能な趣味・知的余暇活動や家事などの生活機能と対人交流など,社会的ネットワークとサポートなど心理社会面の豊かな状態を促進する重要性が明らかにされつつある.しかしながら,介護予防介入では地域住民を広く対象としたポピュレーション戦略による長期間の追跡に基づいた介入効果の検証報告は未だ十分ではない.また,今後地域での介護予防介入の戦力として期待される作業療法士を目指す学生が,介護予防事業に参加することを通じた学生教育での波及効果を追究した報告はない.

そこで本研究は,地域住民が運営主体の作業療法的手法による「憩いのサロン」事業(以下,サロン)を活用した長期地域介入によって,従来の取り組みでは明らかにされていない介護予防効果と課題を示すこと,学生にもたらされる教育的効果を明らかにすることを目的とする.

本研究により,未だその介入法が十分明らかにされていない介護予防策の手がかりを示すことができる.また,学生にもたらされる教育効果を得るという2つの意義をもつ研究である.

代表者:阿部友和(リハビリテーション学部助教)
分担者:江西一成(同教授),渡辺一夫(さつき福祉会あじさい)
課題:成人知的障害者の健康増進活動に対する理学療法士介入効果の検証について

研究目的・意義

国際知的障害研究協会International Association Special Study of Intellectual Dicability(IASSID)や日本知的障害者福祉協会,そして厚生労働省の調査によれば,65歳以上の知的障害者の割合は一般人口の15%に比べ,5%以下と低値であることが報告(有馬2000)されている.これは知的障害者の平均寿命が66歳と健常者のそれより著しく低いことに関係する.さらに,知的障害者の10~40歳代の死亡率は健常者の同年代の死亡率より,数倍高く,その死因の上位がてんかんや,摂食嚥下障害,頸髄損傷等,原疾患に由来する要因も多いながら,心疾患,肺炎,がん等の生活習慣病であることが報告され, "知的障害者の生活習慣病罹患率の若年化"(高木ら2005,小島ら2005)が危惧されている.知的障害者の健康状態を調査した報告によっても,高血圧や糖尿病といった生活習慣病罹患率が健常者と比べ,著しく若年化していることが報告している

(後藤2001).

近年では,生活習慣病罹患の可能性は,メタボリックシンドローム(危険因子の一つである内臓脂肪量を間接的に示すウエスト周径から診断)にて予測されることが多い.さらにメタボリックシンドロームの発生原因にロコモティブシンドロームが因子の一つとして報告されている(佐久間2010).

知的障害者のロコモティブシンドローム罹患率について調査された報告はないものの,東海市の知的障害者就労移行支援事業・就労継続支援B型・生活介護事業さつき福祉会あじさい(東海市加木屋町鎌吉根78)では,ロコモティブシンドロームの症状である各運動能力(階段を上るのに手すりが必要である,15分くらい続けて歩けない,片足立ちで靴下がはけない,横断歩道を青信号で渡りきれない等)の各障害や関節可動域障害,そして変形性関節症と思われる疼痛によって,利用者の日々の生活の活動量やQOLが著しく低下しており,可及的速やかに対策を講じる必要性があると相談をうけている.現行まで,幾つかの対策を講じたものの,未だ有効な策は見つかっておらず,本学江西一成教授に相談が寄せられ,江西教授と本プロジェクト提案者がその対策に当たっている.

実施調査を行った結果,
1) 利用者の日々の活動量,運動量維持に作業的要素で対応しており,運動強度が十分ではない.
2)運動のバリエーションがない.
3) 利用者の運動器特性(関節可動域や筋力,疼痛,柔軟性)が明らかにされていない.
4)利用者の知的能力,運動能力について,介助スタッフが統一した見解を持っていない(検者間信頼性が低い)といった運動実施面やスタッフ教育面に課題があることあることが明確化した.

実施調査の中で,特に興味を引いた事例が4点ある.

<事例1.近隣小学校の社会福祉体験授業>
近隣小学校の社会福祉体験授業の一つとして,あじさい利用者と地域ボランティア,そして小学生によるスポーツ交流がある.スポーツ交流の場面では,日々,笑顔が少なく,活動量の少ない利用者が地域ボランティアと小学生の誘導によって笑顔が溢れ,積極的に運動している様子が観察された.このことから知的障害者の運動量確保には単に運動量という量的要素以外に,地域や様々なヒトによる「交流」「バリエーション」といった質的要素が必要になる可能性が伺えた.

<事例2.近隣小学校の社会福祉体験授業>
日々,利用者のサポートに従事する介助スタッフより,利用者の上肢挙上に必要となる肩関節の可動域制限が著明であると相談を持ちかけられた.その話の中で日々のレクリエーション(上記の作業的要素のこと)では手先作業しかしていないため,肩が挙上できなくなったものと思われるが明らかにされていない.このことから日々の生活スタイルの改善や適切な運動の指導が知的障害者のロコモティブシンドローム改善に何らかの策となる可能性が伺え,その実態調査の必要性が伺えた.

<事例3.利用者の知的能力,運動能力について,介助スタッフが統一した見解を持っていない(検者間信頼性が低い)>
本プロジェクト提案者が提案し,実施した調査では,利用者の知的・身体的能力,そして日々の活動量について,各介助スタッフが統一した見解を持っていないことが明らかになった.これは,ひとりの利用者のサービスが,担当介助スタッフが違うことで異なるサービスが提供されている可能性を意味すると思われる.介助スタッフの意思統一,"チーム福祉"の実践が知的障害者のロコモティブシンドローム改善に何らかの予防策となる可能性が伺えた.

<事例4.知的障害者の日常生活の安全性を考慮したデバイスがない>
利用者の安全性を考慮すると,監視体制や安全な福祉用具が必要であるが,現行のものにそれに当たるものがない.これは,本プロジェクト提案者の専門領域であるリハビリテーション工学によって対応できる可能性が伺える.

以上3点の事例より,以下,4点を計画・実践をする.

1)地域やヒトによる「交流」:星城大学リハビリテーション学部生によるボランティア活動交流,星城大学と地域ボランティア交流
2)運動バリエーションの検討:単的な運動とならない運動プログラムの検討(機器,ゲームを用いた運動バリエーションの検討)
3)適切な運動の指導:星城大学教員(理学療法士,リハビリテーション工学専門者)介入による適切な運動プログラムの立案および福祉機器の選定,開発
4)"チーム福祉"の実践:星城大学教員(医療業務従事者)-さつき福祉会あじさい(福祉業務従事者)による,今までにない新しい"チーム福祉モデル"の構築.

さらに,上記4点の副次的効果として,

1) 星城大学リハビリテーション学部生の医療・福祉観強化を目指した学生教育効果
2) 星城大学と各地域活動単位(星城大学-さつき福祉会あじさい-近隣小学校-地域ボランティア)の交流による地域活性化事業および星城大学PR活動の強化
3) 新しい"チーム福祉モデル"の構築による星城大学PR活動の強化
4) 理学療法士の職域拡大

以上,4点の計画・実践案および4点の副次的効果の実践検証が本プロジェクトの目的,意義である.

代表者:松岡文三(リハビリテーション学部助教),
分担者:江西一成(同教授),安部基幸(同教授)
課題:市民マラソン参加者における運動支援が健康上にもたらす効果の検証

研究目的・意義

近年,健康意識の高まりとともに,市民マラソンへ参加する愛好者が増加傾向にある.しかし,一方で,一般市民が自己申告で気軽に参加できるものであり,専門家によるメディカルチェックを受けないまま,自己判断で大会へ向けてトレーニングを行い競技参加することで, 身体に悪影響を及ぼす可能性も十分に考えられる.例えば心不全,呼吸不全の発症や,関節痛の悪化,下肢の肉離れなどが報告されている.
そのため,私達は市民マラソン参加者に対して,事前に自己管理の指導を行い,出走後には,タイム等の成績とともに身体所見や心理所見をまとめて選手へフィードバックを行っていく.
本プロジェクトでは,マラソン参加者に対し適切なフィードバックを与えることが,効率的な健康の増大をもたらすか否かを検証することを目的とする.

グローカル社会領域(平成23年度)

代表者:秋山健太郎(経営学部教授)
分担者:鈴木愛一郎(同准教授)
課題:ローカル・スマートコミュニティ形成に向けた考察

研究目的・意義

地球上には急速な経済発展とエネルギー需要拡大が見込まれる国々、地域が存在する。われわれの世代はそうした需要を満たし、経済成長を享受することだけを目的とするべきではない。将来のエネルギー資源の確保と地球環境の保護・維持という制約条件にも目を向ける必要がある。

歴史的に市場原理は最適な資源分配をもたらすと信じられてきたが、こうした状況ではもはや必ずしも有効な手段とはいえない。ひとつのソリューションとなるモデルとしてローカル・スマート・コミュニティがあげられる。地球の構成単位としての地域ごとにエネルギーの供給・消費を最適化するというものである。都市やコミュニティの設計もその視点を事前に盛り込むのである。これは従来個々の構成員の最大利得に基づく市場原理にはなかったものである。

本研究では以上の視点から、資源エネルギー問題に対し、先進的な取り組みを行っている世界のモデル地区を観察し、他地域へも適用可能な普遍性のあるエッセンスを成果として提示することを目的とする。その際には市場原理を無視するのではなく、投資プロジェクト成否という視点も交えながら考察する。

知識基盤社会領域(平成23年度)

代表者:武田洋平(リハビリテーション学部教授)
分担者:中川治彦(経営学部特任教授),横井康博(同准教授),古澤麻衣(リハビリテーション学部助手)
課題:学生スポーツが地域社会の健康増進に果たすべき役割を考える

研究目的・意義

本研究は、文科省が提唱する、総合型地域スポーツクラブと最高学府である本学のスポーツマネジメント・コース、或いは運動部との連携により、東海市民の運動・スポーツに対する興味および関心を増大させながら、運動習慣の獲得と健康増進という、21世紀型社会モデルの一端を実践する。更には、近未来の高齢社会をサポートする学生を指導者として派遣することにより、行政側の人材確保と学生らの将来目標の設定という機能を、ダブルで獲得する。
今年度に関しては、団体競技(野球)と個人競技(剣道)を通して、調査委・研究・実践を進める。
個々の研究者に関しては、以下の通り。
【武田】永年にわたるスポーツライターとして社会体育の必要性に注目してきた経験を踏まえ、ジャーナリスティックかつ学究的アプローチにより、学生運動と市民生活の密着による高密度循環型社会への道のりを研究する。
【中川】武道(剣道)は我が国の伝統的運動文化として、今日まで受け継がれてきたスポーツであると同時に、「礼」を柱とする日本の精神的伝統文化であり、国際的な理解を求めて外国へも発信を続けている。また人間関係の基盤づくりにも、武道の持つ特性を生かした指導も行われてきている。依って幼少年とその母親を対象に、剣道による所作と技術に触れることを通して、家庭や地域における就学前教育に貢献することを目的とする。
【横井】スポーツマネジメント・コースで学生を指導してきた経験、および硬式野球部監督として選手を春秋リーグ戦に出場させてきた実績を活かし、団体行動に求められる「強調精神」が、家庭や学校で、如何に効果を発揮するかを、調査・研究する。また、東海市における大学と総合型地域スポーツクラブとの連携や、学生の指導者育成の場としての市民スポーツイベントへの協力態勢の構築、などを推進する。
【古澤】本学の硬式野球部初代(女子)マネジャーとして大学スポーツを裏から支える傍ら、昨平成22年度・第59回全国青年剣道大会の個人の部で優勝するなど、選手として自らも競技生活を経験し、併せて作業療法士として医療現場で、失われた機能回復に立ち向かう患者の真摯なエクササウスに立ち会ってきた。以上の経験から、運動を通した健康づくりの、より効率的な研究を行う。

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