森有正 『バビロンの流れのほとりにて』 筑摩書房 1968年発行

 小学生の時からフランス語で授業を受け、西欧文化に精通、40歳で東大の教員を辞めて渡仏、放浪の哲学者となった著者の思索の記録です。芸術が千万の言葉より真理を理解するきっかけになる(著者はそれを「経験」とよんだ)、自己の本質の姿を見通し、その姿に耐えることが人生だ、などと書かれていたように思います。理解できない箇所は、自分なりに解釈しつつ読んだ記憶があります。数十年の時を経て読み返しても発見が得られる書です。

(経営学部 鈴木愛一郎)