サン=テグジュペリ 『星の王子さま』 新潮文庫 2006年発行 ほか

 世界的ベストセラーですので、子供の頃に読んだという人もいると思います。「いちばんたいせつなことは、目に見えない」という言葉が特に有名です。
 一方、「当たり前のことしか書いてない」と評する声もあります。実際、大人への厳しい言葉は、大人を矮小化したその産物にも見えますし、また、幾つもの言葉が心に沁みるのも、物語が醸し出す幻想的な雰囲気の効果ゆえなのかも知れません。
 それでも、自分の経験から言って、この本には一定の価値があると思っています。なぜなら、この本は、「で、一番大切なことって何?」と自ら問うという、必ずしも当たり前ではないことを、読者に――あるいは一部の読者に――促してくれるからです。

(リハビリテーション学部 岸貴介)

渡辺健介 『世界一やさしい問題解決の授業』 ダイヤモンド社 2007年発行

~問題を難しく考えず解決に導く方法を教えてくれる本~

 問題を抱え、それをどう解決すれば良いか悩んでいませんか?漠然としたままの状態ではなかなか解決できない問題でも、細かくその原因を分解したり、データを分析してみたりすることで、どうすれば解決できるかが明確にわかるものです。この本には、そうした問題を解決するための考え方が視覚的に解りやすく上手くまとめられています。活字に慣れていない学生にとっても、問題解決の手法をやさしく学べる一冊だと思います。

(経営学部 北田友治)

シモーヌ・ド・ボーヴォワール(訳/「第二の性」を原文で読み直す会)『第二の性 決定版』全3巻 新潮文庫 2001年発行

 ~人は女に生まれるのではない、女になるのだ~

 我々の世代の女性にとって、教育は「女性教育」であった。家庭や「世間」は勿論のこと、「平等」や「自由」や「主体性」を育成するはずの学校教育においてすら、ジェンダー形成の一翼を担う隠れたカリキュラムが存在し、さりげなく性差意識を植え付けてきた。
 そのような現状に違和感を募らせていた私にとって本書は、福音のごときものであった。感覚が「理論」を獲得したのである。女性が自律的・自立的に生きることの正当性の証左を獲得したのである。
 本書の主張を要約すると、次のようになる。従来「女性の特質」とされたものは歴史や社会によって作られたものであるとし、男性本位の女性観の打破と、男女の平等を主張する。 そしてこの主張はケイト・ミレットやベティ・フリーダン達の、第二波フェミニズム運動へと受け継がれるのである。

(経営学部 赤岡美津子)

スティーヴン・R.コヴィー 『7つの習慣』 キングベアー出版 1996年発行

 「7つの習慣」は人格を磨くための基本的原則を具体的なかたちにしたものである。社会人になって、尊敬していた同僚に、どうしたらその同僚のようになれるのか相談した際にこの本を紹介された。
 この本に記載されていることの全てを完璧に実行することは難しいかもしれないが、できることから行うことで確実に成長できると確信している。私はこの本に出会えたからこそ今の自分があると思っており、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

(リハビリテーション学部 窪優太)

立花隆・利根川進 『精神と物質-分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』 文藝春秋 1990年発行

 1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進さんに立花隆さんがインタビューを行い、利根川さんがアメリカの大学に留学した時の話から、ノーベル賞を取った研究について述べられています。研究内容ももちろんですが、アメリカでの研究生活や分子生物学のトップを走る研究がいかにしのぎを削っているか、そのスピード感が伝わってきます。また基礎研究の中でも人とのネットワークが重要であることが書かれています。難しい研究に関する言葉には、注釈がついており、若い頃、読書が苦手であった私でもすんなりと読むことができました。真を突き止めるという学問の本質が書かれた名著と思います。
 留学をしたいと思っていた私の研究留学への一歩の背中を押してくれた一冊です。

(リハビリテーション学部 太田進)

白洲次郎 『プリンシプルのない日本』 新潮文庫 2006年発行

~ブレない自分を目指す!結果としてイノベーションに繋がる~

 著者は英国留学で紳士道を身に着け、日本の敗戦を見越し農業をするが、1945年、吉田茂の側近(参与)となり日本国憲法成立に関与。のちに貿易庁長官を経て通商産業省を誕生させた。その後は東北電力会長などを務めたが、政界を早々に退き、田舎で農業しつつ余生を送る。私にとっては、第二次世界大戦後の歴史を学ぶ一冊でもあり、原理・原則、主義・主張を持って行動に移すことの大切さを学びました。次世代を担う学生達にお勧めの一冊です。                 

(経営学部 北野達也)

柳田理科雄 『空想科学読本』 宝島社 1996年発行

~科学的に検証するって面白い!~

 SFアニメや漫画の出来事を科学的に検証する内容です。ベストセラーになり、今ではシリーズ化され、WEB版もあります。筆者の考察や挿絵がユーモラスで面白く、友人ともよく内容について話しました。当時、私は高校生で電車やバスの移動中に様々な本を読んでいましたが、この本は笑いをこらえきれないので車内で読むのをためらうほどでした。今では私も研究者の端くれですが、そのきっかけはこの本にあるかもしれません!?

(リハビリテーション学部 越智亮)

矢野眞和・濱中義隆・浅野敬一 編 『高専教育の発見-学歴社会から学習歴社会へ』 岩波書店 2018年発行

~見えない学校、KOSEN

 最近読んだ一冊。
 今や、国際語"KOSEN"になった高専(高等専門学校)。しかし、社会にあまり知られていない、かつ、見えない学校といわれています。この高専教育の実態を明らかにすることにより、大学教育や高等教育全体に示唆を与える本です。
 この本は、私が初めて教壇に立った学校が高専であり、私の教育原点を再認識させてくれます。ネット社会において本格的なAI・IoT時代を迎える中、今後の人材育成や文理融合型教育を考える上で貴重なヒントが得られる一冊です。

(経営学部 加藤省三)

アーサー・C・クラーク(訳/伊藤典夫)『2001年宇宙の旅』 ハヤカワ文庫SF 1993年発行

~想像力が育てられる~

 この本に出合ったのは、高校時代でした。当時、推理小説をよく読んでいましたが、その近くにあった本だったと思います。文章を読み進めていくと、その文字から自分なりに想像し、飽きずにワクワクしながら最後まで読んでいたような気がします。不思議と文字からスムーズに映像を想像することが出来ました。調べてみると今では、2010年宇宙の旅、3001年終局への旅、2061年宇宙の旅などが発刊されているようです。

リハビリテーション学部 大古拓史)

宮沢賢治 「雨ニモマケズ」 新潮文庫 『新編 宮沢賢治詩集 平沢退二朗編』 所収 1991年発行

~ どう生きるか、を考える ~

 この詩は、日本語教師としての私の原点を思い出させてくれる詩です。約20年前、私は大学院を休学し、ベトナムの大学で日本語を教えていました。文化や生活環境が異なり、暑さで体調を壊したり、日本語を教える難しさにぶつかったりしていた時、この詩に再会しました。慎ましさや他者への思いやりにあふれた言葉が心に響き、どう生きていくかということが見えたようで、とても励みになったことを昨日のことのように覚えています。

(経営学部 伊藤春子)