修了生の修士論文の内容が国際学術専門誌『Journal of Exercise Rehabilitation』に掲載されました

修了生の修士論文の内容が国際学術専門誌『Journal of Exercise Rehabilitation』に掲載されました

 2024年度修了生,星城大学研究員の野田篤志さんの修士論文の内容がリハビリテーション分野の国際学術専門誌Journal of Exercise Rehabilitationに掲載されました。タイトルは、『Effects of modified sit-to-stand training on load asymmetry in patients with hip fracture: a pilot quasi-randomized controlled trial』です。

 オープンアクセスジャーナルですので、下記URLから全文をダウンロードできます。
 https://e-jer.org/journal/view.php?number=2013601086
 (PDF Linksをクリック)

 この研究では,大腿骨近位部骨折を経験した高齢者を対象に,通常の起立練習(両足をそろえて立ち上がる方法)と,患側の足をやや後ろに置き,椅子の座面を高くした「修正起立動作(modified sit-to-stand)」による練習を比較しました。対象者は2週間にわたり毎日約15分間の起立練習を行い,起立や歩行時の下肢への荷重量,筋力,バランス能力などを評価しました。その結果,修正起立動作を行ったグループでは,1)起立時に患側下肢へかかる荷重が有意に増加,2)歩行中の患側下肢の支持時間が延長,3)膝伸展筋力やバランス能力(Berg Balance Scale)が改善,といった効果が確認されました。対照となる通常の起立動作グループでは,このような改善は明確には見られませんでした。このことから,座面を高くし,患側の足を後方に置く修正起立練習は,大腿骨近位部骨折後の患者さんにとって,短期間で安全かつ効果的に患側下肢への荷重を促し,歩行能力やバランス機能の改善につながる有用な方法である可能性が示されました。

 野田さんからのコメント:英語での執筆は大変なことも多くありましたが、採択された時はすべてが報われたような気持ちでした。修士課程修了後も熱心にご指導頂いた越智亮先生に心より感謝申し上げます。また今回の研究にご協力頂いた対象者の方々にも感謝申し上げます。本研究が大腿骨近位部骨折患者さんの荷重非対称性,歩行能力,バランス機能の改善のための手段として貢献できることを願っております。今後も臨床現場の患者さんに役立つような研究活動を続けていきたいと思います。

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