佐野眞一 「あんぽん 孫正義伝」 小学館 2012年発行

 ソフトバンク社長の孫正義の生い立ちを書いた本である。孫正義は佐賀県鳥栖市の朝鮮部落の生まれである。日本名は安本と名乗り、「あんぽん」と言われ、いじめられていた。私は鳥栖市出身で、孫正義の祖母がいじめられていたのを覚えている。しかし、この本を読むまであのいじめられていたおばあさんが孫正義の祖母で、孫正義が鳥栖市無番地という住所がない朝鮮部落出身とは知らなかった。不安、悩みが多い学生時代に是非読んで頂きたい。

(リハビリテーション学部 作業療法学 専攻長 坂井一也)

アル・ゴア 「不都合な真実 地球温暖化の危機 ECO入門編」 ランダムハウス講談社 2007年発行

~今一度、この事実に目を向けて下さい

明日からの暮らし方が変わるかもしれません~

 この本は、読み物というより眼で理解する本です。各々の写真に短い解説がつけられていますが、そこを読まずとも事態の深刻さが容易に理解できます。私たちが暮らすこの地球は、もはや限界が見え始めているのです。この事実から目を背けることなく、ひとりひとりができることを始めなければならないのです。是非この本に触れ、「地球温暖化」の現実を認識して下さい。

(リハビリテーション学部 理学療法学 専攻長 古川公宣)

石井光太 「蛍の森」 新潮文庫 2016年発行

 物語は、2012年、四国の山村で起きた老人連続失踪事件に端を発し、読み進めるうち、60年前に闇に葬られたハンセン病患者への差別と偏見に満ちた悲しい歴史が明らかになってくる。あまりの悲惨さ、残酷さに思わず目を背けたくなる叙述もある。ミステリー仕立てで、最後は、事件の謎が解け、辛くも安堵する事実が待っている。「生とは何か?」を改めて考えさせられる一冊である。

(リハビリテーション学部 リハビリテーション学科長 山田和政)

トーマス・クーン 「科学革命の構造」  みすず書房  1971年発行

 「一般的に認められた科学的業績で、一時期の間、専門家に対して問い方や答え方のモデルを与えるもの」を「パラダイム」と命名したクーンが、単行本として初めて世に問うた著作。実験・観察データが示す現実の有様が既存理論を凌駕すると、馴染みの理論が破棄され新理論へとシフトする。このパラダイムシフト受容時に必要な、強靭な精神力を持つ者のみが科学探求者として相応しい。大衆化が顕著な今こそ大学人が読むべき一冊。

(学長補佐 経営学部 加藤知子)

井筒俊彦訳 「コーラン」上・中・下巻 岩波文庫 1957・1958年発行

~現代を理解する1冊~

 今イスラムが注目される中、万巻の書を差し置いてコーランを私は薦めます。しかし、読む際念頭において欲しいことが一つあります。それは文体の違いです。例えば新聞、小説、詩の文体を想起して下さい。コーランは時期(話題)によって文体が異なるのです。例えば終末描写は詩的です。井筒はコーランの複数の文体を歯切れよく口語訳した恩人ともいうべき学者です。氏の名訳と共にイスラムの根幹に触れてはいかがでしょうか。

(学長補佐 リハビリテーション学部 森川孝典)

Shusaku Endo, William Johnston 「Silence」 Picador 2016

 The setting is in 17th-century Japan and this novel revolves around a haunting question: How can God remain silent in the face of human suffering and unbearable persecution? Shusaku Endo's work traces the journey of Sebastian Rodrigues, a Portuguese Jesuit sent to minister to local Christians under violent persecution -- and to investigate reports of another priest's renunciation of a religious faith. This book refuses to provide any easy answers and will surely force the reader to do some serious soul searching. It is a very compelling story and a challenging and masterful look at faith - a challenge to us. What does religion ask of us, expect from us, in our daily lives? I found myself captivated by Silence as the novel tackles the subject of faith and suffering.

(学長補佐 経営学部 Martin Snyder)

坪田 一男 「ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門」 文藝春秋 2012年発行

 健康といえばとかく食事や運動に目を向けがちだが、実は心理社会面の良好な状態や豊かさが大きく影響し、幸福度も異なることをご存じだろうか。例えば、生活を楽しんでいる人は脳卒中や心疾患による死亡率が低く、仲がよい夫婦の方が病気やけがが治りやすい。不機嫌そうな人に近づかないほうが健康にはよく、幸せや肥満は伝播することなどが科学的に証明されている。「本当か?」と疑う人はご自身の健康保持のためにも一読がお得。

(大学院健康支援学研究科研究科長 竹田徳則)

ヴィクトール・E・フランクル 「夜と霧」 みすず書房・新版 2002年発行

 著者のフランクルはウイーン大学で精神医学を学んだ医師である。彼はユダヤ人であり,第二次世界大戦中に強制収容所に送られたが生き延びることができた。この書はそこでの体験を戦後に記したものである。彼は悲惨な収容所生活で自己を見失わず,他の収容者の心理的変化を的確に綴っている。そして「生きることとは何か」「人間とは何か」について深い洞察が本書の白眉であり,読者に感動を与えてきた.是非一読をお勧めしたい。

(リハビリテーション学部 学部長 安倍基幸)

水野敬也 「夢をかなえるゾウ」 飛鳥新社 2011年発行

 本書は人生において日頃から大切にするべき習慣を、読みやすい文章でとてもわかりやすく書かれています。
 学生の皆さんには是非ただ読むだけではなく、それら一つ一つの習慣が、自分にとってどのような働きをするのか、続けることによって将来の自分にどのような結果をもたらすのか、イメージしながら読んで頂けたらと思います。

(経営学部 学部長 盧 聰明)

尾崎紅葉 「金色夜叉」 新潮社 1969年発行

~「金色夜叉:学生時代の思い出」~

 大学生の頃、普段読まない文学作品を読んでみようと思いました。
 ただ、一人で読んでも続かないだろうと考えた私は当時お付き合いをしていた女性(現在の妻です)と共に本屋へ行き一緒にこの本を選びました。文語体で書かれているのでとても読みづらい本でしたが、ゆっくりと何とか読み進め読了することができました。
 一人ではなく、二人で共通の本を読み共有できるものを作るのも面白いと思います。

(副学長 石田隆城)