リハビリテーション学部は、病気やけが、高齢によって日常生活に支障をきたす方々が、再び自立した生活を送れるよう支援する専門職を育てる学部です。
理学療法士や作業療法士といった国家資格の取得を目指し、医療や福祉の現場で必要とされる知識と技術を身につけていきます。

日本では高齢化が進む中、リハビリ分野の重要性が一段と高まっており、身体の回復支援にとどまらず、心理的サポートや社会参加の支援など、幅広い視点が求められています。
大学によっては、カリキュラムの内容や実習先との連携体制に個性があり、進路の選択肢や学びの深さも異なります。

そのため、自分が将来どのような専門職を目指すのかを見据えたうえで、相性の良い大学を選ぶことが、進学後の納得感や満足度につながるでしょう。

1. 進学前に知っておきたい「リハビリテーション学部」の基本

リハビリテーション学部では、医療の現場で活躍できる専門職を目指して学びます。
理学療法士や作業療法士といった国家資格の取得を見据え、人の回復を支える力を養うことが主な目的です。
まずは、この学部で何が学べるのか、将来どのような仕事を目指せるのか、そして他の進学先との違いについて見ていきましょう。

1-1. リハビリテーション学部で学べることとは？

この学部では、主に理学療法や作業療法に関する知識と技術を学び、人の身体や心の機能回復を支援する力を身につけていきます。

カリキュラムには、解剖学・生理学などの基礎医学に加え、運動学、基礎作業学、心理学、評価学などの専門科目が含まれます。
また、3〜4年次には病院や福祉施設での臨床実習が組み込まれており、現場での対応力やコミュニケーション力を育む機会も豊富です。

なお、大学ごとに教育方針や実習環境は異なるため、自分に合った学び方ができるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。

1-2. 目指せる職業と国家資格の種類

リハビリテーション学部で目指せる代表的な資格には、「理学療法士」と「作業療法士」があります。

理学療法士は、主に運動機能の回復を支援する専門職で、歩行訓練や筋力トレーニングなどを通じてリハビリを行います。
一方、作業療法士は、食事・着替え・移動といった日常生活動作（ADL）の改善や、社会復帰に向けた支援を行う職種です。

どちらも国家資格に該当し、取得後は病院やクリニックをはじめ、介護施設や障害者支援施設など、幅広い場所での活躍が期待されています。
特に高齢化が進む社会では、今後ますます必要とされる職種といえるでしょう。

1-3. 大学と専門学校の違い・進学のメリット

理学療法士や作業療法士を目指すルートとしては、「大学」と「専門学校」の2つがあります。

大学は4年制（または一部で3年制・6年制）で、卒業時には「学士号」が授与されます。専門知識だけでなく、研究活動や地域連携、幅広い教養教育に触れられる点も特徴です。 また、チーム医療に関する学びが豊富で、他職種との連携力も養うことができます。

一方、専門学校は実践力の養成に重点を置いた教育内容が多く、資格取得を目的に効率的に学べる傾向があります。
ただし、卒業後のキャリアの幅やステップアップの可能性を考慮すると、大学進学には多くのメリットがあるといえるでしょう。

2. 偏差値の正しい意味と医療系進学での使い方

大学選びで「偏差値」を基準にする受験生は少なくありませんが、医療系学部では、必ずしも偏差値だけで進学先を決めるのが正解とは限りません。
ここでは、偏差値の本来の意味や、医療分野の進学で注意すべきポイントについて解説します。

2-1. 偏差値だけで大学の質は判断できる？

偏差値は、受験者全体の中での相対的な学力を数値で表した指標であり、主に入試の難易度を示すものです。
しかしながら、その大学が提供する教育の質や、国家試験へのサポート体制、学生への指導の手厚さまでを反映しているわけではありません。

実際、偏差値の高い大学だからといって、必ずしも国家試験の合格率が優れているとは限らず、個別支援が不足しているケースも見られます。
医療系学部では、講義の質だけでなく、実習やチーム医療への理解など「現場に強い教育」が求められます。

そのため、単に偏差値の高さで進学先を決めてしまうと、「自分の学びたいことと違っていた」「授業の進め方が合わなかった」といったミスマッチにつながるおそれもあります。
大学の特徴を多角的に捉えることが、納得できる進路選びには欠かせません。

2-2. 偏差値を"目安"として正しく使うには？

偏差値は大学選びの際に「合格の目安」として役立ちます。一般的には、志望校の偏差値よりも自分の学力が3程度上回っていれば合格圏内、5以上差があればチャレンジ校とされることが多いです。

ただし、これはあくまで統計上の目安にすぎず、試験科目の傾向や配点、入試方式によって実際の合否は大きく変わる場合があります。特にリハビリテーション学部では、筆記試験だけでなく面接や小論文、志望理由書などを重視する大学もあり、偏差値だけで判断するのはやや危険です。

以下は、全国的なリハビリテーション学部の偏差値・得点率と、星城大学リハビリテーション学部の数値を比較した表です。

リハビリテーション学部：全国平均と星城大学の比較表

項目	全国的な目安（一般的な傾向）	星城大学（参考値）
偏差値（理学療法学専攻）	約50〜60	48
偏差値（作業療法学専攻）	約47〜58	45
共通テスト得点率（理学療法）	約 60〜75%（中堅〜上位校）	約 55〜64%
共通テスト得点率（作業療法）	約 55〜70%（中堅校中心）	約 45～64%

※マナビジョン（Benesse） 星城大学 偏差値・共通テスト得点率

このように、星城大学は全国平均と比べて偏差値的には比較的入りやすい水準にあります。とはいえ、同学部では学習支援や国家試験対策に力を入れており、実践的で丁寧な教育体制が整えられています。そのため「学力に不安があるけれど医療の分野で人の役に立ちたい」と考える受験生にも心強い進学先となるでしょう。

偏差値だけでは見えてこない「教育の質」や「サポート体制」まで視野に入れることが、納得のいく大学選びにつながります。

2-3. なぜ医療系進学は偏差値以外が重要なのか？

医療系の進路では、知識や学力以上に「人と向き合う姿勢」や「実践力」が求められます。患者さんとの信頼関係を築いたり、医療チームの一員として連携を取ったりする力は、試験の点数だけでは測れない要素です。

また、大学によっては国家試験対策に力を入れていたり、少人数制でのきめ細やかな指導を行っていたりするところもあります。たとえば、模擬試験や面談サポートを導入し、毎年高い合格率を維持している大学も見受けられます。

一方で、偏差値だけを重視して進学先を選んでしまうと、こうした支援を受けられず、学びにくさを感じる可能性もあります。
そのため、実習の充実度や教員のサポート体制など、教育の「中身」に目を向けることがとても大切です。

3. 学力レベル別・リハビリテーション学部の選び方

受験生一人ひとりの学力に応じて、進学先の選び方は変わってきます。偏差値だけで一律に評価するのではなく、自分の強みや目的に合った選択をすることが重要です。ここでは、学力レベルごとにおすすめの視点と進学戦略を紹介します。

3-1. 偏差値65以上の人におすすめの視点と選び方

学力上位層の学生にとっては、単に資格を取るだけでなく、将来のキャリアの広がりを見据えた大学選びが重要になります。たとえば、大学院への進学や、リハビリテーション研究への参画、より専門性の高い分野への発展などを視野に入れるとよいでしょう。

附属病院を持つ大学では、実際の医療現場で高度な症例に触れられる機会があり、臨床能力の向上にもつながります。また、医学部・看護学部などとの合同授業を通じて、チーム医療に必要な連携スキルを養える環境もあります。

さらに、国際交流プログラムや留学制度を設けている大学であれば、グローバルに活躍する力を育むことも可能です。将来の進路の幅を広げるには、こうした付加価値のある学びが得られる大学を選ぶのが効果的です。

3-2. 偏差値55〜64の中堅層が重視すべきポイント

中堅層の受験生にとっては、教育の手厚さと国家試験へのサポート体制がカギとなります。偏差値の高さよりも、「実際に力をつけられるか」「卒業後に活躍できるか」を見極める視点が大切です。

国家試験対策に力を入れている大学では、模擬試験や個別学習指導、グループ学習制度などを取り入れており、国家試験合格率90％以上を維持しているところもあります。

少人数制の授業を導入している大学では、教員との距離が近く、質問や相談がしやすい雰囲気が整っている場合も多いです。学習の不安や苦手分野を早期に解消できる体制があるかどうかをチェックすることが、入学後の充実度を左右します。

偏差値にとらわれず、「実際に力をつけられるか」「卒業後に活躍できるか」を見極める視点が大切です。

3-3. 偏差値50前後でも将来性をつかむ進学戦略

偏差値がそれほど高くなくても、国家資格を取得し、リハビリの専門職として活躍している人はたくさんいます。大切なのは、「入ってからどれだけ努力できる環境が整っているか」という点です。

たとえば、一部の大学や専門学校では、実務経験の豊富な教員による実習指導や、基礎学力に不安がある学生向けのメディアル教育（補習授業）を行うなど、入学後のサポートがしっかりしているケースがあります。また、定期的な進路面談などが用意されていて、不安や悩みを気軽に相談できる体制が整っている学校もあります。

こうした「学びやすさ」を重視して、自分の得意・不得意や学習スタイルに合った大学を選ぶことが、将来の資格取得やキャリア形成につながる大切な第一歩になります。偏差値という数字だけにとらわれず、「自分が成長できそう」と思える環境を見つけることが成功のカギです。

4. リハビリ学部を選ぶうえで注目すべき3つのポイント

リハビリ学部を選ぶ際には、偏差値以外にもチェックしておきたいポイントがあります。ここでは特に押さえておきたい3つの視点を紹介します。

4-1. 国家試験合格率とサポート体制

国家資格である理学療法士・作業療法士の取得は、リハビリテーション学部に進学する大きな目的のひとつです。したがって、各大学の国家試験合格率は、進学先選びの大切な判断材料となります。

たとえば、星城大学リハビリテーション学部では、2024年3月卒業生において、理学療法学専攻で100%、作業療法学専攻で95.8%と、いずれも全国平均を大きく上回る水準を達成しています。

このような成果を支えているのが、少人数制の授業やアドバイザーミーティング制度、国家試験対策のための模擬試験・個別指導といった、きめ細かい教育支援です。こうした取り組みは、学力に不安がある学生でも安心して学び、着実に成長していける土台となっています。

国家試験 合格率比較（2025年3月31日時点）

専　攻	全国平均（2024年度）	星城大学（2023年度）	星城大学（2024年度）
理学療法士	約95.2%	100%	100%
作業療法士	約92.5%	95.8%	91.9%

なお、最新の国家試験合格率については、厚生労働省や各資格団体の公開データを確認することで、客観的に比較することができます。

4-2. 実習・附属施設の充実度

リハビリ分野の学びにおいては「実践力」が非常に重視されます。そのため、大学での実習や演習環境がどれだけ充実しているかは重要な判断材料です。

たとえば、附属病院や提携医療機関が充実している大学では、リアルな臨床の場に近い実習が行えます。さらに、学内にトレーニングルームや模擬診療設備を備えているかどうかも、実践的な学びを深めるうえで欠かせません。

オープンキャンパスでは、こうした施設や設備が実際に使われている様子を見ることができるため、ぜひ自分の目で確かめてみましょう。

4-3. 就職率と卒業生の進路

せっかく進学しても、その先の将来が見えづらければ不安が残ります。リハビリ学部を選ぶうえでは、卒業後にどんな道が開けるのか、具体的な進路の実績も確認しておきたいポイントです。

多くの卒業生は病院や介護施設、クリニックなどの医療・福祉分野で活躍していますが、近年では発達支援やスポーツ分野でのトレーナー、教育現場など、活躍の場が広がりを見せています。

星城大学では2024年3月卒業生の就職率が、理学療法学専攻・作業療法学専攻ともに100%という高い実績を誇っています。これは、実習先との連携やキャリア支援の充実度が反映された結果といえるでしょう。

大学によっては、特定の医療法人や施設との強い連携を持ち、実習先からそのまま就職につながるケースもあります。また、進路支援センターの体制や就活イベントの有無など、就職活動を後押ししてくれるサポート体制も重要です。

5. 偏差値よりも「後悔しない進学」を重視しよう

5-1. 就職率と卒業生の進路

入学してから「思っていたのと違った」と感じる学生は少なくありません。実際の満足度は、授業のわかりやすさ、先生との距離感、キャンパスの雰囲気など、偏差値では見えない部分に大きく左右されます。

たとえば、少人数制のクラスでは教員とのコミュニケーションが取りやすく、質問や相談がしやすいといった安心感があります。また、学生サポート体制が整っている学校では、課題や進路の悩みを早めに解消できる傾向も見られます。

口コミや在学生の体験談、オープンキャンパスでの印象など、リアルな情報に触れて、自分が「通いやすい」と感じられるかを大切にしましょう。

5-2. ミスマッチを避けるチェックリスト

進学後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐためには、事前に自分なりのチェックリストを用意しておくのがおすすめです。以下のようなポイントを意識して整理してみましょう。

・通学距離や立地、日々の通いやすさ
・学費の負担感や奨学金制度の有無
・授業や実習のスタイル（座学中心か、実践型か）
・キャンパスの雰囲気やクラブ活動の充実度、学生生活の様子

こうした視点を持つことで、「偏差値」では見えてこない大事な要素にも気づくことができます。自分が何を重視するのかを明確にすることで、より納得感のある進学先を選びやすくなります。

5-3. 将来のキャリアに直結する学び方とは？

リハビリテーション学部で学ぶ目的は、国家資格の取得だけではありません。その先の現場で、患者と向き合い、社会に貢献できる人材になることが本当のゴールです。

たとえば、在学中に地域医療のボランティアや高齢者施設での交流活動に参加した学生は、現場での対応力が身につきやすく、就職後もスムーズに適応できる傾向があります。

大学によっては、卒業生によるキャリアセミナーや、実際の医療現場を体験できる長期実習など、学びを深める機会が豊富に用意されているところもあります。こうした環境で学ぶことで、自分の将来像がより明確になり、目標に向かって自信を持って進むことができます。

6. まとめ｜偏差値と将来性の両面から、最適な進学先を選ぼう

リハビリテーション学部の進学先を選ぶ際は、偏差値だけでなく、教育内容や支援体制が自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。実際、偏差値が高くなくても高い合格実績を持つ大学は多数あります。

星城大学リハビリテーション学部では、2024年度国家試験において理学療法士の合格率が100%、作業療法士が91.1%という安定した実績を誇ります。偏差値的には全国平均よりやや低めの水準にありますが、手厚い個別サポートや実習環境の充実により、しっかりと成果を上げている大学のひとつです。

こうした例からもわかるように、「偏差値」だけで判断してしまうと、本来自分に合っている進学先を見落としてしまう可能性があります。教育環境・国家試験対策・就職支援など、将来を見据えた視点で情報収集を行い、自分にとって本当に価値のある進学先を選びましょう。

一つひとつの選択が、将来の働き方や生き方に深く関わってきます。焦らず、じっくりと「自分らしい道」を見つけてください。

TOP