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2026.03.28

【高校生向け】リハビリ資格の種類と選び方ガイド


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「リハビリの仕事に興味があるけど、どんな資格があるの?」
理学療法士や作業療法士といった名前は聞いたことがあっても、その違いや、他にどんな選択肢があるのかは知られていないことが多いかもしれません。

リハビリの分野には、国家資格だけでなく、民間資格や認定資格も含めて多様な進路があります。資格ごとに仕事内容や必要なスキル、取得までの道のり、活躍できる場所が異なるため、「自分に合った資格」を選ぶことが大切です。

ここでは、リハビリ資格の種類をわかりやすく一覧で紹介し、難易度や給料の比較、性格タイプ別のおすすめ資格など、進路選びに役立つ情報をまとめて解説します。さらに、働きながら取得できる資格や、大学・専門学校の選び方もご紹介します。

1. リハビリ資格にはどんな種類がある?

リハビリ系の資格は、大きく「国家資格」と「民間資格」に分かれます。それぞれに役割や取得の難易度、働ける場所などに違いがあります。

国家資格は、厚生労働省が定めた基準に基づき、毎年実施される国家試験に合格することで取得できます。代表的なのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などで、医療機関や福祉施設でのリハビリ業務を行うには、この資格が必須です。信頼性が高く、就職やキャリアの安定性も魅力です。

民間資格は民間団体や協会が独自に認定する資格で、スポーツ指導や介護予防、健康づくりの分野で活用されます。たとえば、スポーツトレーナーや健康運動指導士などがあります。比較的取得しやすく、働きながら学べる制度も多いため、学び直しやスキルアップにも適しています。

2. 代表的なリハビリ資格と仕事内容を一挙解説

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リハビリ職には、医療・福祉・スポーツなどさまざまな分野で活躍できる資格があります。ここでは、高校生や保護者が進路を考える際に知っておきたい7つの代表的な資格について、仕事内容・活躍の場・対象となる人の3つの視点でわかりやすく解説します。

理学療法士(PT)

  • 仕事内容:けがや病気によって身体機能が低下した人に対し、歩行訓練や筋力トレーニングなどを通して「立つ」「歩く」といった基本動作の回復を支援します。
  • 活躍の場:病院、介護老人保健施設、訪問リハビリ、地域リハビリセンターなど。
  • 対象者:脳卒中後の高齢者、交通事故後の回復期の患者、手術後のリハビリを必要とする人など。

作業療法士(OT)

  • 仕事内容:「生活する力」を取り戻すための支援を行います。食事や着替え、入浴などの動作訓練のほか、発達障がいや精神的な不調に対する支援も含まれます。
  • 活躍の場:病院、精神科病院、小児施設、介護施設、在宅支援など。
  • 対象者:身体・精神・発達に課題のある方、小児~高齢者まで幅広く対応。

言語聴覚士(ST)

  • 仕事内容:ことば・聞こえ・飲み込みなどの障がいに対するリハビリを行います。子どもの言語発達支援や、高齢者の嚥下(えんげ)障がいのケアなどが中心です。
  • 活躍の場:病院、リハビリテーションセンター、特別支援学校、介護施設など。
  • 対象者:発話や理解が難しい子ども、脳卒中の後遺症を持つ方、飲み込みが困難な高齢者など。

柔道整復師

  • 仕事内容:打撲・捻挫・骨折などに対して、手技による応急処置や施術を行う専門職です。医師の指示がなくても一部の施術が可能。
  • 活躍の場:接骨院・整骨院、スポーツ現場、介護施設など。
  • 対象者:スポーツ選手や、けがをした一般の人など。応急対応からリハビリ支援まで担当します。

義肢装具士

  • 仕事内容:義手・義足、コルセットなどの装具を設計・製作し、使用者の身体機能の補助を行います。医療と工学を融合した専門職です。
  • 活躍の場:病院、義肢装具製作会社、リハビリセンターなど。
  • 対象者:けがや病気で手足を失った方、運動機能を補助する必要のある方など。

あん摩マッサージ指圧師

  • 仕事内容:マッサージ・指圧などの手技によって筋肉や関節のこりをほぐし、体の不調を整える施術を行います。国家資格として認められ、医療行為に準じた支援が可能です。
  • 活躍の場:鍼灸マッサージ院、医療機関、訪問施術サービス、スポーツ現場など。
  • 対象者:肩こり・腰痛などの慢性症状を抱える方、体の疲労を訴える高齢者やアスリートなど。

スポーツトレーナー/健康運動指導士

  • 仕事内容:アスリートや高齢者に向けて、パフォーマンス向上や健康維持を目的とした運動指導・トレーニングを行います。国家資格ではなく、団体認定の民間資格が中心です。
  • 活躍の場:スポーツジム、介護予防施設、自治体の健康講座、学校など。
  • 対象者:スポーツ愛好者、高齢者、生活習慣病予備群の方など。

3. 難易度・合格率・給料で比較

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リハビリ資格を選ぶとき、多くの高校生・保護者が気にするのが「難しさ」「合格率」「将来の収入」の3つです。ここでは、代表的なリハビリ資格の難易度・合格率・年収の目安を比較してみましょう。

● 国家資格の合格率(令和6年度実績)

資格名 合格率
(全国平均)
合格率のポイント
理学療法士(PT) 約89.6% 新卒者の合格率は約95%と非常に高く、養成校のカリキュラムが試験対策に直結しています。まじめに学べば合格しやすい資格といえます。
作業療法士(OT) 約85.8% 理学療法士と同様に高い合格率を維持。多くの学校で国家試験対策が手厚く、新卒であれば高確率で合格が見込めます。
言語聴覚士(ST) 約72.9% 養成校の数が少なく、専門性が高いためやや難易度が高め。文系的な知識も求められるため、バランスのよい学習が必要です。
柔道整復師 約66.4% 全体の合格率はやや低めだが、新卒者に限れば約84%と高水準。医療系の基礎に加え、骨・筋肉の構造知識が問われます。
義肢装具士 約71.5% 医療と工学の知識を融合した専門性が求められるため、試験対策が独特。少数精鋭の養成校が多く、学習環境が合否に影響します。
あん摩マッサージ指圧師 約87.2% 実技重視で、身体に関する知識と手技の理解が必要。国家試験に加え、視覚障がい者向けの教育機関出身者が多いのも特徴です。

•国家資格の多くは70〜90%台で推移しており、理学療法士・作業療法士は高め、言語聴覚士や柔道整復師はやや低めの傾向です。

※参考:厚生労働省、全国柔道整復学校協会、全国医療福祉教育協会 ほか

● 平均年収の比較(20代〜30代)

資格名 平均年収(目安)  
理学療法士 約444万1500円 国家資格として安定。初任給は大卒平均よりやや高め。
作業療法士 約444万1500円 リハビリ職の中でも求人が安定しており継続的に需要あり。
言語聴覚士 約444万1500円 高齢者施設や小児領域での活躍が多く、専門性が収入に反映されやすい。
義肢装具士 約400万円前後 医療×工学の専門職で安定した需要。経験によって昇給しやすい。
柔道整復師 約350〜450万円 開業可。収入は勤務形態や顧客数によって大きく変動。
あん摩マッサージ指圧師 約350〜450万円 独立開業が主流。施術技術と営業力が年収に直結。
スポーツトレーナー 約300〜400万円 実績・所属チームにより収入差大。
健康運動指導士 約300〜400万円 高齢者支援や自治体の健康事業など需要が拡大中

※ここで紹介している年収は、厚生労働省の統計資料などをもとにした平均的な目安です。勤務先の規模、地域、雇用形態、経験年数などによって実際の収入は大きく異なる場合があります。

※参考:厚生労働省 労務費率調査|厚生労働省賃金構造基本統計調査

いずれの資格も、学歴と実務経験によって年収は大きく変動します。国家資格は就職先が安定している傾向があり、長く働き続けたい人には有力な選択肢となるでしょう。

4. あなたに向いているのは?性格タイプ別おすすめ資格

リハビリの仕事は、どれも「人を支える」という共通点がありますが、向いている性格や得意分野は資格ごとに大きく異なります。
ここでは、代表的な性格タイプ別に「どの資格が合いやすいか」を紹介します。

人とじっくり関わりたい人におすすめ

向いている資格:作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、あん摩マッサージ指圧師

患者さんと長い期間関わることが多く、気持ちに寄り添いながら支援する姿勢が求められます。人の話を聞くのが好きな方や、子どもや高齢者と丁寧に関わりたいと考えている人に向いています。

体を動かすのが好きな人におすすめ

向いている資格:理学療法士(PT)、柔道整復師、スポーツトレーナー(民間資格)

リハビリやトレーニング、けがの施術など、動作を扱う実践的な場面が多いため、運動が好きな方や体力に自信のある人に向いている傾向があります。

会話・言葉で支援したい人におすすめ

向いている資格:言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)

言葉に関する支援やコミュニケーション能力が活かせる仕事です。発語や理解などのリハビリを行う場面も多く、話すことや聞くことが得意な人、子どもと関わることに興味のある人におすすめです。

ものづくり・技術に関心がある人におすすめ

向いている資格:義肢装具士

医療と工学の知識を活かして、義手・義足・コルセットなどを作る専門職です。工作や設計が好きな方や、コツコツと丁寧な作業を続けるのが得意な人に向いています。技術や創造力を使って誰かの生活を支えることにやりがいを感じる人に適しています。

手で人を癒す仕事がしたい人におすすめ

向いている資格:あん摩マッサージ指圧師

手技によって筋肉や血流を整え、体の不調をやわらげる仕事です。人の体に直接触れてケアしたい方や、リラクゼーションや健康に関心のある人に向いています。実技の技術を活かし、相手に「気持ちよかった」「楽になった」と言ってもらえる喜びを感じられる職業です。

将来は独立・開業したい人におすすめ

向いている資格:柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、スポーツトレーナー(民間資格)

将来的に開業を目指せる資格として人気があります。自分のスタイルで働きたい、自立したキャリアを築きたい、収入アップを目指したいという方にぴったりです。働き方の自由度が高いため、目標に合わせた準備が大切です。

「どんな資格があるか」だけでなく、「自分に合っているかどうか」を考えることが、将来後悔しない進路選びの第一歩です。
自分の性格・価値観・得意なことに合わせて、ぴったりのリハビリ資格を見つけていきましょう。

5. 働きながら/通信でも取得できるリハビリ資格はある?

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リハビリに関わる資格には、通学が必須の国家資格と、働きながら取得しやすい民間資格の2種類があります。

理学療法士・作業療法士などの国家資格は通信教育では取得できません。厚生労働省の規定により、指定された養成校での一定時間以上の通学授業と病院・施設での臨床実習が義務づけられているためです。

ただし、社会人の学び直しを支援する夜間部や昼夜開講制の専門学校・大学も一部に存在します。日中に仕事をしながら、夕方以降に講義を受けるスタイルで学ぶことで、資格取得を目指す人もいます。

また、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師など一部資格では、社会人対象の夜間部や3~4年かけて通う柔軟なカリキュラムを設けている学校もあります。生活と両立しながら国家資格を目指せる選択肢として注目されています。

一方で、スポーツトレーナーや健康運動指導士などの民間資格には、オンライン講座や短期スクーリングで取得可能なものも多数あります。これらの資格は、制度面での制約は少ないものの、フィットネス業界や健康支援の現場での活躍を目指す方には有効な選択肢となるでしょう。

なお、医療機関で「リハビリ職」として法的に業務を行うには、国家資格が必要となるケースがほとんどです。民間資格は、医療行為そのものを行う資格ではない点を理解しておくことが重要です。

6. リハビリ系の学びができる大学・専門学校の選び方

リハビリ資格を目指すうえで、多くの人が悩むのが「大学に進むか?専門学校にするか?」という進路選びです。

どちらが正解というよりも、自分の目的や学びたい内容に合った進路を選ぶことが大切です。

例えば、理学療法士や作業療法士などの国家資格は、大学でも専門学校でも取得できますが、大学は4年制でより幅広い知識や研究的な学びができるのが特徴です。将来的に管理職や教育・研究職を目指す人にも選択肢の一つになり得るでしょう。

一方、専門学校はより実践的な内容に特化しており、最短3年での資格取得が可能です。学費や通学期間を重視する人、いち早く現場で働きたい人には選ばれやすい傾向があります。

また、大学では一般教養やグループワークを通じて、社会人基礎力を高められる点も魅力です。星城大学のように、ビジネスや心理学など他分野との連携教育がある大学もあり、人間理解や多角的な視点が求められる医療職にとって、応用力が身につくというメリットもあります。

進路選びは、「何を学びたいか」「どんな将来を描いているか」で変わります。
ぜひ学校のパンフレットやオープンキャンパスを活用し、納得できる選択をしていきましょう。

7. まとめ|自分に合ったリハビリ資格を選ぼう

リハビリの資格には、医療系の国家資格から、健康・スポーツ領域の民間資格まで幅広い選択肢があります。
理学療法士や作業療法士などの"定番"だけでなく、義肢装具士やスポーツトレーナーなど、あなたの強みや興味を活かせる道も存在します。

選ぶべき資格は、「どれが人気か」や「どれが稼げるか」だけでなく、あなたの性格や将来の働き方に合っているかどうかが重要です。
人とじっくり関わるのが好きな人、体を動かすのが得意な人、ものづくりに魅力を感じる人──それぞれに向いているリハビリ資格があります。

また、進学方法にも幅があり、大学で広く学ぶ道もあれば、専門学校で実践的に学ぶ道もあります。
働きながら資格を取得できる制度も一部にあり、自分の生活スタイルに合わせたキャリア設計が可能です。

迷ったときは、まず「自分がどんなふうに人を支えたいか」を考えてみましょう。
自分に合った資格を検討することで、将来の選択肢が広がる可能性があります。

リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 学科長 坂井 一也
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