2026.03.27
リハビリ職の離職率は高い?理由と対策を解説

「リハビリ職は離職率が高いらしい」
そんな話を聞き、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を目指してよいのか不安を感じていませんか。医療系の仕事はやりがいがある一方で、働き続けられるかどうかは進路選びの大きな判断材料になります。
本記事では、リハビリ職の離職率の実態から、離職が起こる理由や職種ごとの傾向、長く働ける職場の選び方までをわかりやすく解説します。また、大学での学びが離職率にどう関係するのかにも触れ、数字だけに振り回されず、納得できる進路選びをするための視点をお伝えします。
1. リハビリ職の離職率はどれくらい?
リハビリ職の離職率は「高いのでは?」と心配されることがありますが、実際には職場によって大きく異なります。現場では「想像していた働き方と違った」と感じる人もいます。
厚生労働省「雇用動向調査」によると、医療・福祉分野の離職率は毎年15〜20%前後で推移しています。一方、理学療法士・作業療法士の離職率を個別に示す最新データは公表されていませんが、過去の厚労省資料では、おおむね1割程度とされている例もあります。
また、同じリハビリ職でも、病院や介護施設など勤務先の違いによって、働き方や負担感は大きく変わります。特に人手不足が深刻な介護分野では、医療機関より離職率がやや高くなる傾向があります。
このように、リハビリ職の離職率は「職業そのものが原因」ではなく、どの分野・どの職場を選ぶかで左右されやすいのが特徴です。この点を理解しておくことが、進路選びで後悔しないための第一歩になります。
2. リハビリ職が離職する主な理由は?

リハビリ職の離職は、1つの理由だけで決まることは多くありません。多くの場合、いくつかの要因が重なって判断されます。代表的な理由は次の3つです。
・キャリアの方向性が変わる・描きにくい
現場経験を積む中で、自分の将来像に迷いを感じる人は少なくありません。また、職場によってはキャリアパスが明確でなく、将来を描きにくくなる傾向があります。
・業務量・人員体制など職場環境の問題がある
急性期病院では患者数が多く、書類業務も重なるため負担が大きくなりがちです。人員不足の職場では一人あたりの業務量が増え、心身の疲労が蓄積しやすくなります。こうした環境は、特に新人にとって大きなストレス要因になります。
・ライフステージの変化に左右されやすい
結婚や出産、育児など、生活環境の変化により働き方を見直す必要が生じるケースです。制度や柔軟性の有無が継続可否を左右します。
3. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士で離職傾向は違う?
リハビリ職と一括りにされることが多いものの、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)では、仕事内容や働く場が異なり、離職の背景にも違いが見られます。
● 理学療法士(PT)
歩行や動作の回復を支援する職種で、急性期や回復期の病院で働く人が多い職種です。職場によって業務量に差があり、忙しい現場では体力的な負担が大きく、それが離職理由につながるケースがあります。
● 作業療法士(OT)
日常生活動作や社会復帰の支援を行い、医療機関だけでなく介護・福祉分野でも活躍します。身体だけでなく生活動作や精神面のサポートも担うため、患者との関わりが深く、やりがいが大きい一方で、精神的な負担が蓄積しやすい傾向があります。また、働く場の選択肢が広い一方で、キャリアの方向性に悩むことが離職につながる場合もあります。
● 言語聴覚士(ST)
ことばや飲み込みのリハビリを担当する専門性の高い職種です。医療機関だけでなく、教育・福祉分野で働く機会があり、職場によって求められる役割が大きく変わります。特に小児領域では保護者対応や長期的な支援が必要となり、コミュニケーション負担が離職理由になる場合があります。
このように、離職率そのものに大きな差があるというよりも、仕事内容や職場環境との相性が離職に影響しやすいと考えられます。
4. 長く働けるリハビリ職場の選び方

リハビリ職として長く働き続けるためには、職場選びの段階で「続けやすい環境かどうか」を見極めることが大切です。
・研修・教育体制が明確か
新人研修の内容や指導者の配置、フォローアップの仕組みが整っている職場は、安心してスキルを身につけることができます。段階的に成長できる環境は、不安を抱え込まずに働き続けるための土台になります。
・働き方に柔軟性があるか(休暇・残業)
休暇の取りやすさ、残業の状況、シフトの調整など、働きやすさに直結する要素は職場によって大きく異なります。特に結婚や出産などライフステージの変化が起きた際に、柔軟に働ける環境かどうかは、長期的なキャリアに関係してきます。
・キャリアアップ支援が用意されているか
専門研修の参加支援、資格取得のサポート、管理職へのステップが用意されている職場は、将来の選択肢が広がります。自分の成長を後押ししてくれる職場かどうかを見極めることが、モチベーションを保ち、長く働き続けるための大きな鍵といえます。
5. 大学での学びは離職率にどう関係する?
リハビリ職として長く働き続けるためには、大学で身につける基礎力が大きく影響します。基礎力や考え方が身についているかどうかは、現場での不安やストレスの感じ方を左右します。
・基礎力と臨床思考力が現場定着につながる
解剖学や運動学といった基礎知識は、国家試験のためだけでなく、現場で判断する力の土台になります。基礎力が十分でないと、臨床での判断が難しくなり、仕事への不安が離職につながることがあります。
・実習サポート・メンタルケアの重要性
実習は、学生が初めて現場の厳しさに触れる機会です。事前準備や振り返りの時間が確保され、教員によるフォローが手厚い大学では、学生が安心して学びを深めやすくなります。実習での成功体験や適切な振り返りは、就職後の自信にもつながります。
・星城大学を含む大学教育の取り組み例
近年は、専門知識だけでなく、コミュニケーション力やマネジメント視点を重視する大学も増えています。
星城大学では、医療・福祉分野とビジネス分野を横断的に学ぶことで、職場全体の動きや役割を理解しながら考える力を育てる取り組みが行われています。こうした学びは、就職後の定着やキャリア形成に大きく貢献します。
6. まとめ|離職率を正しく知り、後悔しない進路選びを
リハビリ職の離職率は、医療・介護といった分野や職場環境によって大きく異なります。離職が起きる背景には、キャリアの方向性、業務量、働き方、ライフステージなど、さまざまな要因が関わっています。
大切なのは、「離職率が高いかどうか」だけで判断するのではなく、自分に合った働き方ができる環境かどうかを見極めることです。大学で身につける基礎力や臨床思考力、実習サポートの充実度も、就職後の定着に大きく影響します。
リハビリ職は、人の生活に寄り添い、回復を支えるやりがいの大きな仕事です。離職率の実態を正しく理解し、自分に合った環境を選ぶことで、長く働き続けるための選択肢を考えやすくなります。

