2025.12.21
リハビリ職に向いている人の特徴7選|向いてない人との違いも解説

リハビリ職に向いている人の特徴を知りたい、そう思って調べている方もいるでしょう。理学療法士や作業療法士といったリハビリ専門職は、けがや病気で日常生活が難しくなった人に寄り添い、回復を支える仕事です。
一方で、「自分の性格は向いているのかな?」
「コミュニケーションが得意じゃないけれど大丈夫?」
「向いてない人の特徴も知っておきたい」
という不安を抱える高校生や保護者の方も少なくありません。
この記事では、リハビリ職に向いている人の特徴を7つに整理し、向いていないと言われがちな傾向との違いもわかりやすくまとめました。さらに、「向き不向きだけで判断しなくていい理由」や、「大学の学びの中で伸ばしていける力」も紹介し、星城大学の取り組みも交えながら進路選びの参考になる情報をお伝えします。
最初にお伝えしておくと、リハビリ職に向いている人は一言でいえば"人と丁寧に向き合い続けられる人"です。専門知識や技術は学んで身につくため、今の性格だけで進路を諦める必要はありません。この記事を読み進めれば、自分の強みや可能性に前向きな視線を向けられるはずです。

1. リハビリ職に向いている人は「人と向き合い続けられる人」
リハビリ職にとって大切な資質は、技術よりもまず「人と向き合う姿勢」です。リハビリ職は、患者さんの身体機能や生活動作を回復へ導く仕事ですが、そのプロセスは決して一直線ではありません。思うように成果が出ない日もあり、患者さん自身が落ち込む場面もあります。そんな時でも、相手のペースに寄り添いながらリハビリを進めていく姿勢が必要です。
また、リハビリは"対人援助"の仕事であり、技術や知識だけでは成立しません。患者さんの言葉にならない気持ちを想像したり、励ましの声をかけたりするような心の距離の取り方も大切になります。この姿勢があるかどうかで、信頼関係の築きやすさが大きく変わります。
もちろん、初めから完璧にできる必要はありません。大学での学びや実習の経験を通して、人と向き合う力は少しずつ育っていきます。「この人の力になりたい」という気持ちや相手のためにできることを考え続けられる姿勢、そして前向きに学び続ける姿勢こそがリハビリ職の適性につながります。
2. リハビリ職に向いている人の特徴7選

(1)相手に寄り添う姿勢が自然に取れる(傾聴力・共感力)
リハビリ現場では、患者さんの気持ちに歩調を合わせながら関わる姿勢がとても重要です。落ち込んでいるときは励まし、前向きなときは挑戦を後押しするなど、相手の心情に合わせて関わり方を変える必要があります。
これは特別なスキルというより、普段から「友達の相談に自然と耳を傾けられる」「困っている人を見ると声をかけられる」といったささやかな優しさに近い感覚です。
また、気持ちに寄り添いながらも、支援の判断では冷静さを保つ"客観性"も求められます。
●日常でのイメージ例
・悩みを話す友達の話を、途中で遮らずに最後まで聞ける
・困っていそうな人に「大丈夫?」と一声かけられる
・後輩や家族の話を落ち着いて向き合える
こうした姿勢は、リハビリでも信頼関係を築くための大切な土台になります。
(2)小さな変化に気づける観察力がある(柔軟性・適応力)
患者さんの状態は、一日の中でも少しずつ変わっていきます。身体の動かし方や表情、痛みの訴える様子など、わずかな変化を丁寧に拾い上げることが、支援内容を無理なく調整する際にも役立ちます。
日常生活でも、「なんとなく元気がなさそう」「いつもと雰囲気が違う」といった小さな変化に気づける人は、この観察力を自然に発揮できます。
●日常でのイメージ例
・友達のテンションが"いつもより低い"と感じ取れる
・ペットの様子が少しおかしいとすぐ気づく
・教室や部活の空気が変わると敏感に察することができる
こうした感覚があると、現場でのリスク管理やリハビリ内容の調整にも役立ちます。
(3)こつこつ継続できる忍耐力がある
リハビリは、短い期間で劇的な成果が出るものばかりではありません。日々の取り組みを重ねるうちに、少しずつ変化が感じられるようになります。こうした積み重ねが苦にならず、目の前の小さな努力を丁寧に続けられる人は、リハビリ職で強みを発揮できます。
●日常でのイメージ例
・毎日少しずつ勉強を続け、本番に向けて仕上げていける
・部活で基本練習をコツコツ積み重ねられる
・習い事でゆっくりでも上達を目指せる
こうした"コツコツ型"の人は、リハビリの現場で特に強みを発揮します。
(4)コミュニケーションが丁寧にできる(説明力・対人スキル)
患者さんが抱える不安や悩みを受け止め、必要な情報をわかりやすく説明する力が求められます。話を一方的に伝えるのではなく、「相手がどこでつまずいているか」を把握しながら説明できるかどうかが、信頼関係にも影響します。
また、患者さんに共感しつつも感情移入しすぎない客観性も欠かせません。このバランスが取れている人は、信頼される支援がしやすくなります。
また、想定と異なる状況でも冷静に分析し、柔軟に対応策を変更できる適応力も役立ちます。
●日常でのイメージ例
・友達に授業の内容をわかりやすく教えてあげられる
・初対面の人とも落ち着いてやり取りができる
・話すスピードを相手に合わせられる
説明の仕方ひとつで、相手が安心してリハビリに臨みやすくなります。
(5)人の成長を一緒に喜べる
リハビリの仕事には、患者さんのわずかな進歩でも、一緒に嬉しくなれる場面が多い仕事です。大きな成果だけではなく、昨日より一歩進めたことを大切にできる感性が活かされます。そうした変化を自分のことのように嬉しく感じられる人は、支援者としての大きな強みになります。
●日常でのイメージ例
・友達が部活で記録を伸ばしたら自分のことのように嬉しい
・家族の努力を自然に応援できる
・SNSで知人の成長や成果にポジティブなコメントができる
こうした"人の喜びを一緒に味わえる感性"は、患者さんのモチベーションを引き出す力にもつながります。
(6)チームで動くことが苦にならない(協調性・連携力)
リハビリ職は、医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、多くの専門職と連携して支援を行います。そのため、チーム医療の考え方が不可欠です。これは、学校や部活動での"チームの動き"と通じるところがあります。相手の専門性を尊重しながら、自分の役割も果たしていく協調性が欠かせません。
●日常でのイメージ例
・文化祭や体育祭の準備で、役割分担しながら作業できる
・部活で仲間と相談しながら練習メニューをつくる
・委員会活動で意見調整し、まとめながら協力する
一人で完結しない仕事だからこそ、周囲と協力しながら動ける人は現場でとても頼りにされます。
(7)専門知識を学び続けられる意欲がある(探究心・セルフ管理)
医療分野はつねに新しい知識が生まれるため、学び続ける姿勢がとても大切です。探究心を持って学び続けられる姿勢が、より質の高い支援につながります。これは勉強好きである必要はなく、普段から「知らないことをそのままにしない」「疑問に感じたことをそのままにしない」という姿勢があれば、自然と伸びやすい力です。
●日常でのイメージ例
・疑問に思ったことをすぐ検索して調べるクセがある
・新しい知識を知ると「どうして?」と興味が広がる
・好きな分野については夢中になって調べてしまう
・疲れたときに無理をせず休めるなど、セルフケアが自然にできる
こうした姿勢があると、患者さんへの支援にも自信が生まれ、成長スピードも格段に速くなります。
3.リハビリ職に向いてない人の特徴|理由と改善ポイント

リハビリ職に「向いてない」と言われる特徴は、必ずしも能力の不足を示すものではありません。多くは習慣や考え方によって変えられるものであり、進路を諦める材料にはなりません。ただし、傾向として理解しておくことで、自分に足りない部分を把握し、今後の成長につなげることができます。ここでは、よく挙げられる傾向と、そこから改善していくためのポイントを紹介します。
3-1. 向いてないと言われがちな性格や傾向
●感情の浮き沈みが激しく、相手の気持ちに引きずられやすい
患者さんの状態に深く共感するあまり、自分まで気持ちが揺れてしまう場合があります。相手気持ちを察することは大切ですが、感情面で引っ張られすぎると、判断がぶれやすくなり、結果的に支援内容へ影響が及ぶ場合があります。
●小さな変化に気づくのが苦手
患者さんの表情や動きの細わずかな違いに気づきにくい場合、、その日の支援計画がずれやすくなり、適切な判断がしづらくなることもあります。ただし、どこに注目すればよいかを学ぶことで、この"気づく力"は十分に伸ばしていけます。
●物事を継続するのが苦手、飽きやすい
リハビリは成果が出るまでに時間がかかることも少なくありません。そのため、すぐに結果を求めるタイプの人は、途中でモチベーションが下がりやすい傾向があります。
●人とのコミュニケーションが一方通行になりやすい
説明が早口になったり、相手の話を最後まで聞けなかったりする場合、信頼関係が築きにくくなります。コミュニケーションは練習で伸びやすい部分です。
●チームで動くことが苦手で、自分のペースを優先しがち
医療現場では、他の職種と連携しながら意思決定を進める場面が多いため、協調性が求められる場面が多くあります。自分だけのやり方に固執しやすいタイプは負担を感じることがあるようです。
3-2.改善できるケース/改善が難しいケース
以下のような傾向は、意識や経験次第で十分に改善できる可能性があります。
- 観察ポイントを知れば「気づける力」は伸ばせる
"どこに目を向ければ良いのか"が分かると、小さな変化に気づきやすくなります。大学の授業や実習を通して身につきやすい力です。 - コミュニケーションは練習で上達する
話す順番を意識したり、説明スピードを調整するだけでも改善できます。実習や模擬場面での練習を通して上達しやすい分野です。 - 継続が苦手でも、環境づくりで習慣化できる
学習スケジュールや振り返りの仕組みがあると、「続ける力」は自然に伸びやすくなります。大学のカリキュラムが支えになります。
次の傾向は、努力だけで改善が難しい場合があります。
- 極端に他者への興味が薄い・関わること自体が苦痛
対人援助の仕事では、相手に関心を持つ姿勢が欠かせないため、根本的にズレが生じやすいことがあります。 - 自己中心的で、相手の視点で考えることが困難
患者さんの立場に立った判断が求められるため、自分本位になりやすい性格は負担になりやすい傾向があります。 - 協力作業そのものが負担に感じる
医療現場はチームで動く場面が多いため、この傾向が強いと働きづらさにつながる場合があります。
ただし、どの傾向も「絶対に無理」と決めつける必要はありません。
"今は苦手だけれど、これから変わりたい"という気持ちがあれば、実習や人との関わりの中で少しずつ意識が変わっていくケースも多くあります。
4.向き不向きだけで判断しない理由|現場が求める力は後から伸ばせる

リハビリ職を目指す際、「自分は向いているのかな」と不安に感じる人は多いものです。しかし実際には、リハビリの現場で求められる力の多くは、大学での学びや実習を通して自然と身育っていく傾向があります。向き不向きはあくまで"スタート地点での傾向"であり、必ずしも職業適性を決定づけるものではありません。
現場で働くリハビリ専門職の方々も、学生の頃からすべての力を兼ね備えていたわけではありません。観察力は「どこを見ればよいか」を理解することで磨かれ、コミュニケーションの取り方は患者さんやチームとの関わりを繰り返す中で向上していきます。また、忍耐力や継続力は、小さな成功体験の積み重ねによって身についていく傾向があります。
さらにリハビリの仕事では、「自ら考えて学び続ける姿勢」が重視されます。医療技術は常に更新されるため、学び続けることが結果的に自分の強みを広げたり、課題を補ったりすることにつながります。
技術や知識は学んで身につけられるため、最初から完璧である必要はありません。今の性格だけを基準に判断して道を閉ざすのではなく、大学での学びや経験を通して適性を伸ばしていけることを理解しておくと、進路選びがぐっと前向きになります。
「今の自分は向いていないのでは」と感じても、それだけで将来を決めつける必要はありません。大事なのは、変わろうとする気持ちや、新しい環境から学び取ろうとする姿勢です。リハビリ職は、努力によって力が伸ばせる職業であり、進路を検討する高校生にとって大きな可能性がひろがっている分野といえます。
5. 大学での学びで適性は伸ばせる|星城大学の取り組み例

リハビリ職に必要な力の多くは、生まれつきの才能というより、大学での学びを通して身についていくものです。星城大学リハビリテーション学部では、基礎から応用・実践へと着実にステップアップできるような教育環境が整えられており、初めて学ぶ学生でも段階的に力を伸ばしやすい仕組みが組み込まれています。ここでは、その中でも特に適性を育てることにつながる取り組みを紹介します。
5-1. 実習・演習を通じた実践力の育成
星城大学では、1年次から実技演習に触れられるカリキュラムが用意されています。学内にはリハビリ機器備えた演習室があり、身体の動きの見方や支援の流れを、机上だけでなく実際に体験しながら学んでいきます。このように、知識と実技の両方を早い段階から積み重ねられる点がおおきな特徴です。
また、学外実習では実際の医療・福祉現場に出向き、リハビリ専門職の方々と一緒に患者さんへの関わり方を学びます。実際の現場だからこそ得られる気づきが多く、担当者からのフィードバックを受けることで、自分では気づきにくい強みや課題にも向き合う機会にもなります。
こうした経験を積むことで、向き不向きに迷っている学生にとっても、自分の適性を確かめながら伸ばしていける貴重なプロセスとなります。
(参考:星城大学 リハビリテーション学部)
5-2. 国家試験・学習サポート体制
リハビリ職を目指す上で、国家試験の合格は大きな目標です。星城大学では、少人数教育や教員とのやり取りがしやすい環境を活かし、学生一人ひとりの理解状況に合わせた学習支援が行われています。定期的に模擬試験を行ったり、個別に相談できる機会を設けたりすることで、弱点の把握や克服につなげやすい環境になっています。
さらに、普段の授業の中で基礎力を積み重ねられるよう、学びを段階的に取り入れたカリキュラムが組まれています。学習の継続が苦手な学生でも無理なく取り組みやすい構造で、国家試験対策だけに偏らず"日々の学びの質"も大切にしている点が特徴です。
こうした星城大学の取り組みは、リハビリ職に必要な資質を「これから育てていく」ことを前提としており、初学者が安心して学びを深め、将来に向けて着実にステップアップするための後押しとなっています。
6. まとめ|自分に合った環境を選ぶことが最も大切
リハビリ職に向いている人にはいくつかの共通点がありますが、それらは"生まれつき備えていなければいけない能力"ではありません。相手に寄り添う姿勢や変化に気づく観察力、丁寧なコミュニケーションは、大学での学びや実習を重ねる中で徐々に身についていくものです。
だからこそ、向き不向きだけで進路を決める必要はありません。「いまの自分に何が備わっているか」よりも、「これから伸ばしていける環境に出会えるか」を意識することが大切です。
星城大学では、専門技術の習得だけでなく、患者さんとの関わり方やチーム医療の実践など、リハビリ職として働くために欠かせない多様なスキルを段階的に磨けるカリキュラムが用意されています。実践的な学びを通して、自分の可能性を広げながら適性を育てられる点は、進路に迷う人にとって大きな支えになるはずです。
リハビリ職は、人の生活に深く寄り添う責任ある仕事ですが、その分だけ大きなやりがいを感じられます。「向いていないかもしれない」と感じる場合があっても、情報を集め、大学での学び方を知ることで、不安を整理しながら納得のいく選択ができるようになります。自分の可能性を伸ばせる環境を見つけ、将来に向けた一歩を踏み出してみてください。
