イメージ

星城大学の学びがわかる

  • facebook
  • twitter

2025.11.17

リハビリテーション系で取れる国家資格とは?職種の違いと将来性をわかりやすく解説


リハビリテーション系で取れる国家資格とは?職種の違いと将来性をわかりやすく解説
shutterstock_2683280349.jpg

「将来、リハビリテーションの仕事に就きたいけど、どんな資格があるの?」
「国家資格って名前は聞くけど、何が違うの?」
そんな疑問を持つ高校生や保護者の方も多いのではないでしょうか。

リハビリテーションに関わる仕事には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士をはじめ、福祉や心理、スポーツ分野まで幅広い国家資格が存在します。

この記事では、リハビリテーション系国家資格の種類や特徴、取得方法、進学先の選び方、将来の働き方までをわかりやすく解説します。

「どの資格が自分に合っているか」

「どうやって目指せばいいか」

これから進路選びを始める方にとって、将来のヒントになるはずです。

1. 「リハビリテーション系国家資格」ってなに ?

リハビリテーションの仕事を目指すうえで、避けて通れないのが「国家資格」です。
なぜリハビリテーションの分野では、資格が必要とされるのでしょうか?

まず、国家資格とは、国の法律に基づいて認定される専門職の証明です。一定の教育課程を修了し、国家試験に合格することで初めて得られます。医療や福祉など、人の命や健康に関わる分野では、このような資格制度が整えられており、専門的な知識と技術を持つ人材を確保するために設けられています。

特にリハビリテーションの分野は、けがや病気、障がいなどによって日常生活に支障が出た人をサポートする重要な役割を担っています。身体の動きを回復させたり、言葉の訓練をしたり、生活環境を整えたりと、支援の内容は多岐にわたります。それぞれの仕事には専門性が求められるため、誰にでもすぐにできるわけではなく、きちんと訓練を受けた有資格者である必要があるのです。

また、国家資格を持っていると、就職の幅が広がり、働く場所も安定しやすいというメリットもあります。病院やクリニック、福祉施設、在宅医療の現場、さらには教育現場やスポーツ分野など、多くの場所で活躍できるのも特徴です。

リハビリテーション職にとって国家資格は、専門性の証明であり、信頼されるプロフェッショナルの第一歩。これからの進路を考えるうえで、どんな資格があるのかを知っておくことはとても大切です。

2. リハビリテーション系国家資格の種類と特徴

リハビリテーションに関わる国家資格と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
ここでは、主な資格を4つの分野に分けて紹介します。
それぞれの特徴や仕事内容を知ることで、自分に合った進路選びのヒントが得られるはずです。

・医療リハビリテーション系(PT・OT・ST)

医療リハビリテーション分野で活躍する代表的な国家資格が、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)です。

  • 理学療法士(PT)は、けがや病気で身体がうまく動かなくなった人に対して、歩行訓練や運動療法を行い、身体機能の回復を支援します。病院、リハビリテーションセンター、介護施設などで活躍しています。
  • 作業療法士(OT)は、食事や着替え、仕事などの日常生活に必要な動作の回復をサポートします。精神疾患や発達障がいのある方を支援する場面もあり、対応範囲は広めです。
  • 言語聴覚士(ST)は、言葉の理解・発音・飲み込みなどに困難がある人に対して、コミュニケーションや摂食の訓練を行う専門家です。高齢者の誤嚥予防でも重要な役割を担います。

いずれも国家資格であり、医療機関で働くうえで不可欠な専門職です。

・福祉・介護系(介護福祉士など)

医療現場だけでなく、福祉や介護の分野でもリハビリテーションに関わる仕事があります。国家資格で代表的なのが、介護福祉士です。

介護福祉士は、高齢者や障がいのある方が自立した生活を送るための支援を行います。身体介護だけでなく、心のケアや生活リハビリテーションを含めた包括的な支援を担います。

福祉施設や訪問介護、グループホームなど幅広い職場で需要があります。また、福祉住環境コーディネーター>などの関連資格を併せ持つことで、より専門的な支援も可能になります。

心理・発達支援系(公認心理師など)

リハビリテーションというと身体的なサポートを想像しがちですが、心や発達の支援も重要なリハビリテーションの一部です。

  • 公認心理師は、心の病やストレス、発達障がいなどに悩む人々に対して、心理的支援やカウンセリングを行う国家資格です。医療機関や学校、福祉施設などで活躍しています。
  • また、特別支援学校教諭のように、教育現場で発達に課題のある児童・生徒を支援する専門職もあります。リハビリテーション的な視点で、子どもの成長をサポートする役割を担います。

心理系の資格は、身体的なリハビリテーションだけでなく、心と発達を支えるリハビリテーション職として注目されています。

スポーツ・予防支援系(健康運動指導士など)

リハビリテーションの中には、けがの予防や健康づくりをサポートする分野もあります。

  • アスレティックトレーナー(民間資格)は、スポーツ選手などのけが予防やリハビリテーションを専門とする職種です。チームに帯同してリハビリテーション指導を行うこともあります。
  • 健康運動指導士は、高齢者や生活習慣病予備軍の方々に向けて、運動を通じた健康維持・改善を支援する専門職です。主に予防医療の現場で活躍しており、自治体の健康教室やフィットネスクラブなどでも需要があります。

このように、身体機能の回復だけでなく、「病気にならない体づくり」もリハビリテーションの一環です。

3. どうやって資格を取るの?進路と学びの流れ

shutterstock_2498905677.jpg

・大学・短大・専門学校の違い

リハビリテーション系国家資格を目指すには、文部科学省や厚生労働省に認可された養成校に通うことが必須です。主な選択肢としては、以下の3つがあります。

  1. 大学(4年制)
    より深い専門知識を学びながら、一般教養や研究も行える。将来、教育・研究職や管理職を目指す人にも向いています。
  2. 短期大学(3年制)
    大学より短期間で資格を目指せるが、近年は数が少なくなっています。受け入れ人数が限られている傾向があります。
  3. 専門学校(3年制または4年制)
    実践的なカリキュラムが中心で、早く現場に出たい人に適しています。国家試験対策に力を入れている学校も多くあります。

いずれの学校でも、指定されたカリキュラムを履修し、実習を経た上で国家試験の受験資格を得られます。進路選びでは、「どの職種を目指すか」だけでなく、「学びのスタイル」も重要なポイントになります。

・国家試験の内容と合格率

リハビリテーション系の国家資格を取得するには、卒業後に国家試験に合格する必要があります
それぞれの職種によって試験内容や合格率が異なりますが、共通して言えるのは、「基礎知識」と「応用力」の両方が求められる」という点です。

たとえば、

  1. 理学療法士・作業療法士
    基礎医学(解剖学、生理学など)、リハビリテーション理論、臨床実習に基づいた実践的知識が問われます。
    → 2024年国家試験の合格率は、いずれも約80〜85%前後(※厚生労働省発表)
  2. 言語聴覚士
    解剖・神経系の知識に加え、言語発達・嚥下機能など幅広い分野をカバー。
    合格率は例年65〜75%程度とやや低め。
  3. 介護福祉士
    筆記試験と実技または実務経験による試験。合格率は約70%前後。

試験に合格するためには、養成校での学びをしっかり積み重ね、国家試験対策に力を入れることが不可欠です。

リハビリテーション職に就くには、進路選び→専門的な学び→国家試験合格というステップが必要です。
しっかりと計画を立てて取り組めば、夢の実現に近づけます。

4. 将来性は?活躍の場と就職事情

shutterstock_2683280349.jpg

活躍の場は医療・福祉・地域へ広がっている

リハビリテーション職の代表である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などは、医療機関での活躍が中心です。

病院のリハビリテーション科や、回復期リハビリテーション病棟、整形外科クリニックなどで、患者さんの身体機能や生活能力の回復を支えます。

しかし、近年はそれにとどまらず、介護施設や在宅医療、訪問リハビリテーション、地域包括支援センター、スポーツ現場、学校など、活動の場が多様化しています。

特に、高齢化が進む日本では、在宅リハビリテーションや予防リハビリテーションの重要性が高まり、地域に根ざした活動が求められるようになっています。

資格を活かしたキャリアの選択肢も豊富

リハビリテーション職は、経験を積むことで管理職や教育・研究職への道も開かれます。また、以下のようなキャリアパスもあります。

  • 福祉住環境コーディネーターやケアマネージャーとのダブルライセンス
  • スポーツリハビリテーション専門職としてチームに帯同
  • 自治体や企業と連携した健康事業に関わる
  • 海外や国際協力機関での活動(英語や国際資格が必要な場合も)

国家資格を持つことは、「専門職としての信用」と同時に、「キャリアの広がり」につながります。

安定性・将来性は?今後もニーズは高まる傾向

日本の65歳以上人口は現在30%を超えるとされ、介護や医療の現場で働くリハビリテーション職の需要は年々高まっています(※出典:厚生労働省「高齢社会白書」)。

また、リハビリテーション職の国家資格保有者の離職率は比較的低く、安定した職種といえます。
正社員採用も多く、給与水準も医療系職種として平均的。
初任給は月20万〜25万円前後、経験を重ねることで年収400万円以上を目指せることもあります。

このように、リハビリテーション系の国家資格は、就職・転職・地域貢献・キャリアアップまで、多くの可能性を広げてくれる資格です。

まとめ|国家資格を活かしてリハビリテーションのプロを目指そう

リハビリテーションに関わる国家資格は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士をはじめ、介護福祉士や公認心理師、運動指導士など多岐にわたります。 どの職種も、人の回復や生活の質の向上を支える大切な専門職であり、それぞれに明確な役割があります。

資格を取得するためには、まず自分に合った進学先を見つけ、専門的な学びを重ねていくことが必要です。
国家試験というハードルもありますが、それを乗り越えることで、安定した就職や多様なキャリアの道が開かれます。

たとえば、星城大学のリハビリテーション学部では、国家資格取得に向けた専門教育だけでなく、実践的な現場経験や、地域連携による学びの機会も提供されています。

進路を決めるうえで、「どの資格を取るか」はもちろん、「どこで学ぶか」も大切な選択です。
まずは、気になる学校のオープンキャンパスや資料請求から、一歩を踏み出してみましょう。

|受験特設サイト:https://seijoh-u-yume-jitsugen.net

|公式サイト:https://www.seijoh-u.ac.jp

リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 学科長 坂井 一也

TOP

ページトップへ戻るボタン